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2020年10月9日・10日に開催された第61回日本母性衛生学術学会総会にて、当院における腹式呼吸の効果について発表されました。
腹式呼吸を用いた分娩が母親と胎児にもたらす影響
-診療録からの分析-
[目的]
腹式呼吸を応用した分娩が母親と胎児にもたらす影響について、診療録より後方視的に検証する。
[方法]
産婦人科クリニック単施設で出産した360件の診療録を調査対象とし、分娩時の母児の状態を我が国の先行研究と比較し分析した。
[結果]
初産婦の分娩第Ⅰ期所要時間では、 Friedman曲線の分娩所要時間において1%水準で有意差を認めた(p=0.0029)。また本研究の会陰切開率はいずれの先行研究より明らかに少なく、臍帯動脈血pH値は同様の値であった。さらに35歳未満の初産婦と35歳以上の高齢初産婦の比較では、全ての項目において有意差は認められなかった。
[結論]
腹式呼吸は,会陰切開や帝王切開など医学的な介入を最小限に留めながら自然分娩へと導くことのできる有用性が示された。また35歳以上の高齢初産においても同様の効果が得られ,自然分娩へと導くことができる呼吸法であることが明らかとなった。
共同研究者
小野利夫
遠藤俊子
松田佳子
芦屋・小野レディスクリニック院長
関西国際大学 保健医療学部長
日本母性衛生学会理事
宝塚大学 助産学専攻科准教授
ー 共同研究者からのコメント ー
芦屋・小野式腹式呼吸法の素晴らしい効果が立証!
小野先生が考案された腹式呼吸の素晴らしさや効果は、当院でご出産されたお母さま方からの感想や反応によって常日ごろより実感しておりました。それがこの度【芦屋・小野式腹式呼吸法】について小野先生と共に研究し、その効果が立証できたことを大変嬉しく思っております。「お産の時間が短い、外陰部の傷が少ない、赤ちゃんが元気」というお母さま方にとって喜ばしい成果が得られたことは、今後の自然分娩の在り方や出産に対する価値観に大きな影響を与えるものと確信しております。今後は【芦屋・小野式腹式呼吸法】を活用することで得られた出産体験が、その後の母子や家族にどのような影響をもたらすかについても更なる検証を重ね、より良いケアの提供が確立できるよう努めていきたいと考えております。
動画再生時間 6分59秒